WORKS実績紹介
めめんと森
文:三浦 玲 様
絵:坂本 太郎 様
本著は、2017年12月に子宮頸がんで亡くなった三浦玲さんが闘病中に綴った物語に、友人の坂本さんが挿画を描いたものである。
短大卒業後、保育士として充実した日々をおくっていた三浦さんが、がんと診断されたのは2015年4月のこと。「闘病中でもやりたいことは今する。もう苦しまない」。そう心に誓ったのは、佐賀の療養所に入院したときだった。同じ病の仲間と出会い、亡くなる前の数カ月は元気に夢を語り合った。
「悩んでいる暇はない。今を生き切るという大切さを、多くの人に伝えたい」。これは三浦さんががんになってから気づいたことだ。運命を嘆くより、生きている間に人のため、自分のために生きたい、そう覚悟したとき、心が楽になったという。
坂本さんは、玲さんの告別式で「めめんと森」に出合った。この物語に絵を描きたいと思ったが、筆はなかなか進まなかった。試行錯誤しながら生まれた本の中のうさぎは玲さんだったという。
「めめんと森」は、ラテン語の「メメントモリ」から。「死をわすれるな」という意味だが、「人は必ず死ぬ。けれどその時までは、生きている今を精一杯生きよう」という三浦さんのメッセージが込められている。
今を生きている私たちに勇気をくれる。
Profile
三浦 玲|みうら れい
2015年4月子宮頚がんと診断され、3年間の闘病生活をおくる中、保育士の仕事やマッサージを学び人々を癒す活動に励む。『悩んでいる暇はない。今を生き切るという大切さを、多くの人に伝えたい』と言葉を残している。
坂本 太郎|さかもと たろう
2017年よりアクリル画を描き始め似顔絵や植物などを中心に、『絵を見た方に明るい気持ちになってもらいたい』をコンセプトに絵を描いている。26歳の時に双極性障害と診断され、闘病中。三浦氏の言葉により何度も助けられた。
A4判(横型)・32ページ・上製本