REPORT「土佐の植物暦」山好き社員の散策レポート
「土佐の植物暦」
山好き社員の散策レポート
No.9
5月は花の季節。道ばたや公園、野山は多種多様な花で彩られ、百花繚乱です。五月晴れのある日、いつもの里山から遠く離れた旧鏡村方面へ出かけました。バッグの中にはもちろん「土佐の植物暦」、ちょっとした遠足気分です。
高知市円行寺から柴巻へ。軽自動車がエンジン音をうならせながら、くねくね道を登って行きます。鏡に入ると新宮の森付近で車を降り、山道を歩きました。
ひざまずいて近づく
道ばたでケキツネノボタンが黄色のつやのある花びらを輝かせています。茎には名前の由来になった白い毛がびっしり。ほど近くに薄いピンク色の小さなつぼみが何個も重なった花が生えています。ひざまずいて顔を近づけないとよく分からないほど小さい花、トウバナです。本によると「花の輪が5段ほど積み重なって穂になっている様子が塔のように見える」ことから名づけられたそうです。
異彩を放つ不思議な植物
小さい花に目が慣れてくると、繊細なシライトソウにも気がつきます。文字通り、白い糸のような細長い花びらです。そうこうしているうちに湿っぽい日かげ地で異彩を放つ不思議な白い花?に出会いました。上から見ると、つりがね状のうつ向きかげんです。腹ばいになって茎も見ると根元まで全身真っ白、というより半透明に見えます。そもそも植物なのか‥。
森の妖精!
一緒に来ていた仲間が「あっ、ギンリョウソウ!」。驚いたように「ジブリのアニメに出てくる森の妖精みたい」とつぶやきます。本を開くと5月のページにありました。確かに写真通りの姿、形です。解説文には「自分で栄養をつくらず、地中の菌類から栄養を吸収している」。光合成をしないということでしょうか。独特な生き方は植物の多様性そのものです。
森の樹木に目を転じるとコゴメウツギ、コツクバネウツギ。似たような白い花が咲くウツギはいくつも種類がありますが、「土佐の植物暦」で葉や花びらの形を比べたり、解説を読むとほぼ特定できました。頼りになります。
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