土佐の植物暦(著者・小林史郎) 2020年9月12日発売。A5判・220ページ・並製本、1,800円+税

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(土曜・日曜・祝日休業)

高知新聞夕刊で連載されていた「土佐の植物日誌」の著者、
小林史郎さんによる高知の植物案内

「はじめに」より

ぼくは高知県に住んでいて、野原、海辺、森など
自然探検に出かけるのが楽しみです。
一つ一つの発見に胸がおどります。
この本は高知県の在来植物ばかりを紹介しています。
ある植物は特別な土にだけ育ち、世界でここにしか生えません。
鳥や昆虫の力を借りて実を結び、種をまく植物。
目に見えない微生物と結びついて栄養を得ている植物もいます。
すべてがつながって、ここに森があり野原があり、花が咲きます。
在来植物は風土にあったくらしをしていて、
ふしぎな命のいとなみを繰り返しています。
今年もまた、感動の季節がめぐってくるとワクワクしています。

小林 史郎

著者略歴

1970年生まれ。京都大学理学部・東京大学大学院卒、博士(理学)。専門分野は植物の分類学と繁殖生態学。2003年~2008年、高知県立牧野植物園で「高知県植物誌」の編纂を担当。2008年~2019年、高知新聞夕刊に「土佐の植物日誌」を連載(全3029回)。現在、天王予備校講師。土佐植物研究会会員。

土佐の植物暦 書影

筆者が長い歳月をかけて出会った、
高知県内の在来植物462種を収録。
身近な命のいとなみをお楽しみいただける一冊です。

持ち運びに便利な
A5サイズ

高知の在来植物
462種を収録

写真と解説文付きなので
植物の入門書に最適

POINT本書の見どころ

四季を彩る植物との出会い

春の訪れが早い高知県は、2月には春の花が咲き始めます。
この本では、植物の花や実の見どころに合わせて、春から順に月別(2月~1月)に紹介。各月では、海岸~平地~山地というように、標高の低いところから高いところという順番になっています。
それぞれの植物について、学名、科名、分布や特徴を写真とともに分かりやすく解説。
高知県内の2020年版レッドリスト掲載種も掲載しています。

小さな命から壮大な自然を感じる

紹介されている植物の中には、樹高10メートルというものもあれば、草丈5~20センチ、花の直径1センチという小さなものもあります。普段は見落としてしまいそうな小さな植物にも名前があり、花を咲かせ、たくましく生きています。
生きて種を残すために、虫に受粉してもらう植物は、花の色や蜜で虫をひきつけて花粉を運んでもらいます。このような植物と虫の関係にも、たくさんのふしぎがあります。

小さな足もとの植物の世界は、壮大な自然の世界へと広がっています。
身近な植物にぜひ目をとめてみてください。

「土佐の植物暦」を片手に高知の山や公園を散策してみました!

「土佐の植物暦」
山好き社員の散策レポート
No.27・最終回NEW

「土佐の植物暦」を手に山野を巡りはじめて間もなく2年。それまではわき目も振らずに山頂を目指し、すぐまた駆け下りる。そんな山歩きがすっかり様変わりしました。立ち止まり、しゃがみ込み、ときには腹ばいになって花の写真を撮る。飽きずに続けられたのは「土佐の植物暦」のおかげです。本は使い込むほどに手になじみ、いい感じになってきました。

支え合うパートナー

7月暦に掲載されているヒルガオ。「花びらの奥は5つに分かれ、それぞれに蜜がたまっている。虫が全部の蜜を吸うために口先を5回差し込むと花粉がよくついて受粉しやすくなる」と案内。どんな虫?どんな口先?次々と興味がわきます。

梅雨の晴れ間に山へ、里山へ、海辺へ。ある日、紫色の花にオレンジ色のまだら模様の蝶がとまっているのが目に入りました。花の蜜を一心不乱に吸っているのか、蝶は近づいても逃げません。こうして花粉が蝶に付き、運ばれていくのでしょうね。

ミカンの木が花盛りだったころ、ハチたちがブンブンと飛び回っている中、大きな虫が頭から花に潜り込み、体じゅう花粉まみれになっていました。花と虫は生きるために互いに支え合っている!子孫繁栄のために互いに必要なパートナー!驚きの光景でした。

四季を通して見守る

季節の移ろいに木々も変わっていきます。5月にレポートしたトベラは白い花の跡にいくつもの緑の実。この実がやがて茶色に変わり、殻がはじけて赤いネバネバした実が現れます。トベラを意識したのは昨秋。ほぼ四季を通して見守り、なぜか納得した気持ちになりました。

先月レポートしたクリの花は、ほとんどが濃い茶色になって落ちています。枝先をよく見ると緑のイガイガの実も。クリーム色の細長い花穂から果実がどうやって付くのか、まったくイメージすることができなかったのですが「花が終わると雄花は穂の軸ごと地面に落ち、雌花だけが枝に残って果実へと変わっていく」。そんな「土佐の植物暦」の案内に「なるほどね」と深くうなずきました。

心からの感謝を込めて

このレポートは今回が最終回です。山野を巡り、同じ山道を何度も歩いていると草木の小さな変化が目にとまり、静かに花を見つめると虫と草花の関係や生命の営みに気づき、心動かされます。

山仲間から寄せられる花便りにも感激しました。レポートの最後は鷲尾山で知り合った原池さんに教えてもらった黒紫色の宝石のようなコクランと、花開く日を待つトンボソウの健気な姿の写真で締めくくります。関係者の皆さんに心からの感謝を込めて。

「土佐の植物暦」
山好き社員の散策レポート
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INFORMATION商品情報

書籍名 土佐の植物暦
著者 小林 史郎
発行 株式会社高知新聞総合印刷
出版年月日 2020年9月12日
判型・ページ数 A5判・220ページ・並製本
定価 1,980円(税込)

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葛島本社 出版担当受付時間/ 9:00~17:30
(土曜・日曜・祝日休業)

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